「明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業助成金」という助成金をご存知でしょうか?

この助成金は都内の中小企業が、技術・サービスの高度化高付加価値化に向けた技術開発等にかかった経費の一部を助成するものです。

過去2回募集が行われているので、今後も募集が始まる可能性が大いにあります。

そこで次期募集の際、スムーズに申請できるよう概要を解説していきます。

参照:令和3年度(第2回)明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業助成金【公募要領】

【明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業助成金】とは?

明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業助成金を簡単に解説すると…

  • 東京都と東京都中小企業団体中央会が都内産業を活発化させて、
  • 中小企業の技術・経営基盤の強化を図るため、
  • 受注型中小企業(下請企業)が、
  • 自社の技術・サービスの高度化高付加価値化に向けた技術開発等にかかった経費を一部助成する制度。

助成金を受け取るまでの大まかな流れは、下図を参照してくださいね。

画像引用元:令和3年度(第2回)明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業助成金【公募要領】

やや複雑だけど、1つずつ丁寧に理解していこう!

対象となる事業者は?

申請の対象となる事業者は、大きく分けて次の3種類です。

  1. 中小企業者(会社・個人事業者)
  2. 中小企業団体(組合等)
  3. 中小企業グループ

①:中小企業者(会社・個人事業者)

中小企業者に該当するのは、以下の要件を満たした場合です。

  • 東京都内に本店がある(個人事業者=都内の税務署に開業届を提出している)
  • 2年以上事業を営んでいる

中小企業者の定義

中小企業者は、下記2つのいずれかに該当します。

  • 中小企業基本法に規定する中小企業者及び個人事業者
  • 大企業が実質的に経営に参画していないもの
中小企業基本法に規定する中小企業者
業種資本金額・出資総額常時使用する従業員数
・製造業
・建設業
・運輸業
・その他の業種
3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
小売業5000万円以下50人以下
サービス業5000万円以下100人以下
「大企業が実質的に経営に参画していないもの」に該当するには?
  • 大企業が単独で出資総額の1/2以上を所有または出資していないこと。
  • 大企業が複数で出資総額の2/3以上を所有または出資していないこと。
  • 役員総数の1/2以上を大企業の役員または職員が兼務していないこと。

②:中小企業団体(組合等)

中小企業団体(組合等)に該当するのは、以下の要件を満たした場合です。

  • 東京都内に主たる事務所がある
  • 2年以上事業を営んでいる
  • 構成員の半数以上が東京都内に主たる事業所を有する中小企業である

中小企業団体の定義

中小企業団体は、中小企業等協同組合法中小企業団体の組織に関する法律により設立された組合及びその連合会のこと。

主に次のようなものが挙げられます。

  • 事業協同組合及び事業協同小組合並びに協同組合連合会
  • 企業組合
  • 協業組合
  • 商工組合及び商工組合連合会

③:中小企業グループ

中小企業グループに該当するのは、以下の要件を満たした場合です。

  • 各申請者の役割分担、資金分担が明らかであること。
  • 代表企業を設定し、代表企業は、グループを代表して申請書を提出し、助成金を受領すること。
  • 代表企業は、共同実施する助成事業の中核として運営・管理する責任を負うこと。
  • グループ構成企業等の役職員が代表企業の役職員を兼務していないこと。
  • グループ構成企業内において資本の出資関係がないこと。
  • 代表企業は、交付決定後、グループ構成企業と共同事業の実施に係る契約を締結すること。

中小企業グループの定義

中小企業グループは、複数の中小企業者等が集まって構成する中小企業グループ(共同申請)のこと。

ただし、共同申請者間の取引は助成対象にならないので注意しましょう。

どんな事業なら助成の対象となる?

「対象となる事業者は確認できたけど、どんな事業をすれば助成の対象になるの?」

そんな疑問を抱えた方は、下記4つすべてを満たしているか確認してみてくださいね。

  1. 自社における技術または自社の提供するサービスの高度化高付加価値化に向けた技術開発等であること。
  2. 自社における技術的課題の解決があること
  3. 最終消費者に直接提供される製品(最終消費者に対して直接販売するために完成した機能を持つ機器・装置)またはサービスに関する取組でないこと。
  4. 実施場所が、自社もしくは東京都神奈川県埼玉県千葉県群馬県栃木県茨城県山梨県のいずれかに所在する自社工場であること。

ちなみに取組中の技術開発等について、まだ技術的課題が残っている場合も助成対象事業となります。(助成対象期間内に発生する経費のみ)

助成の対象外となる事業の例

一方で、助成対象外の事業を確認していきましょう。

  1. 自社ブランドの最終製品に関する取組または、最終消費者に直接提供されるサービスに関する取組等
  2. 自社での技術的課題の解決要素がない事業
  3. 営利活動とみなされる原材料や商品の仕入れ等
  4. 既に事業化され収入を得ている事業であって、取引が製品精度や生産性の向上に寄与しないもの
  5. 過去の「受注型中小製造業競争力強化支援事業助成金」「受注型中小企業競争力強化支援事業」及び「明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業助成金」に採択された事業者等が、同一類似の事業として本事業に申請した場合
  6. 同一事業者が、複数件申請した場合
  7. 公募要領の規定に反するもの、要件対象外、明らかな書類不備、補助事業の趣旨に反するもの等
  8. 公序良俗に反する事業

申請区分について

申請する際に、業種の区分企業規模の区分を選択しなければなりません。

それぞれどの区分に該当するのか確認していきましょう。

業種区分①:ものづくり区分

ものづくり区分は、自社の自社の技術の高度化・高付加価値化を図る計画を有し、日本標準産業分類において「大分類E製造業」に該当する事業者です。

主な例は次のとおり。

  • 薄型・小型化に対応するために、切削加工技術の精度向上を図る取組
  • 生産ラインの見直しを図り、製品の短納期化や低コスト化を実現するための取組
  • 作業工程にITを駆使した生産管理システムを導入し、不良品の発生を低減させる取組
「大分類E製造業」一覧表
コード業種
09食料品製造業
10飲料・たばこ・飼料製造業
11繊維工業
12木材・木製品製造業(家具を除く)
13家具・装備品製造業
14パルプ・紙・紙加工品製造業
15印刷・同関連業
16化学工業
17石油製品・石炭製品製造業
18プラスチック製品製造業(別掲を除く)
19ゴム製品製造業
20なめし革・同製品・毛皮製造業
21窯業・土石製品製造業
22鉄鋼業
23非鉄金属製造業
24金属製品製造業
25はん用機械器具製造業
26生産用機械器具製造業
27業務用機械器具製造業
28電子部品・デバイス・電子回路製造業
29電気機械器具製造業
30情報通信機械器具製造業
31輸送用機械器具製造業
32その他の製造業

業種区分②:受託サービス区分

受託サービス区分は、自社のサービスの高度化・高付加価値化を図る計画を有し、日本標準産業分類において「大分類E製造業」に該当しない事業者

主な例は次のとおり。

  • 自社の膨大な受発注を可視化するシステムを構築し、顧客対応力を向上させる取組
  • サービスの提供過程・体制の見直しを図り、短納期化低コスト化を実現するための取組
  • 習得が難しいサービスについて外部(専門家)の技術の指導を受け、自社のサービス提供能力の向上を図るための取組

企業規模区分①:小規模企業区分

小規模企業区分中小企業基本法に規定する小規模企業者。

詳しくは下表をご覧ください。

業種資本金額・出資総額常時使用する従業員数
・製造業
・建設業
・運輸業
・その他の業種
3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
小売業5000万円以下50人以下
サービス業5000万円以下100人以下

企業規模区分②:一般区分

一般区分は、企業規模区分①以外の事業者もしくは、企業規模区分①の事業者のうち、一般区分で申請したい事業者が該当します。

区分により助成限度額が異なるので、小規模企業区分に当てはまる事業者でも、一般区分での申請が可能です。

助成限度額と助成率は?

助成限度額は、企業規模区分によって異なります。

  • 小規模企業区分…1000万円
  • 一般区分…2000万円

助成率は、助成対象経費の2/3以内です。

助成の対象となる経費の一例は、次のとおり。

  • 原材料・副資材費
  • 機械装置・工具器具費
  • 委託・外注加工費
  • 産業財産権出願・導入費
  • 技術指導受入れ費
  • 展示会出展・広告費
  • 直接人件費

それぞれの詳しい内容は、公募要領をご確認ください。

助成の対象外となる経費の例

以下のような経費は、助成の対象外となるので、事前に目を通しておきましょう。

  • 契約から支払までの一連の手続きが助成対象期間内に行われていない場合
  • 助成対象期間の開始日以前に技術開発等が完了している場合
  • 助成事業に関係のない物品の購入、業務委託等(完了時点で未使用の購入原材料等を含む)
  • 見積書、契約書、仕様書、納品書、検収書、請求書、振込控、領収書等の帳票類が不備の場合
  • 助成金交付申請書に記載されていないものを購入した場合
  • 通常業務・取引と混合して支払いが行われている場合
  • 他の取引と相殺して支払いが行われている場合
  • 現金、他社発行の手形や小切手、クレジットカード等により支払いが行われている場合(原則は振込払い)
  • 購入時、ポイントカード等によるポイントを取得した場合のポイント分
  • 親会社、子会社、グループ企業等関連会社(資本関係のある会社、役員を兼任している会社等)との取引の場合
  • 中小企業グループ(共同申請)の場合は、共同申請者間での取引
  • 間接経費(消費税、振込手数料、交通費、通信費、光熱費、収入印紙代【特許印紙代は除く】等)
  • 資料収集業務、調査業務、会議費、消耗品等の事務的経費に該当する場合
  • 汎用性があり、目的外使用になり得るもの(事務用のパソコン、タブレット端末、スマートフォン、デジタルカメラ、複合機等)の購入費
  • 自動車等車両の購入費
  • 人件費(前ページの直接人件費に係る経費を除く)
  • 公的資金の用途として社会通念上、不適切と認められる経費

まとめ

今回は明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業について、概要をはじめ以下のような項目を解説しました。

  • 対象となる事業者は?
  • どんな事業なら助成の対象となる?
  • 申請区分について
  • 助成限度額と助成率は?

第3回の募集時期は未定(※2021年8月下旬現在)ですが、都内の対象事業者はぜひ申請を検討してみてくださいね。

明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業についての最新情報などは、東京都中小企業団体中央会のHPを随時チェックすることをオススメします。

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