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確定申告を間違えたら?申告書【第五表】+【B第一表】で修正申告!

「確定申告をしたはいいものの、金額を低く見積もっていた」

「税務調査の結果、訂正を求められた」

そんなときに利用するのが、申告書第五表です。

申告書第五表修正申告書と呼ばれていて、修正申告をするときに限り登場するレアな書類。

ただし実際に修正後の金額を記入するのは確定申告書B第一表で、申告書第五表には修正前の金額を記入します。

もし確定申告を間違えたまま放置すると、延滞税などが積み重なって納税額が増える可能性があるので、気をつけたいところ。

そこで今回は、次のトピックに重点をおいて解説します。

  • 確定申告を間違えたときの対応方法
  • 修正申告の提出書類と記入事項

万が一の事態に備えて、あらかじめ対応方法を確認しておいてくださいね。

編集
種類 主な内容 名称 あわせて提出する書類
第一表 納税者の基本情報
収入、所得金額など税金の計算
確定申告書A
確定申告書B
-
第二表 第一表の明細
住民税や事業税に関する事項
確定申告書A
確定申告書B
-
第三表 分離課税対象の所得税など 確定申告書(分離課税用) 確定申告書B(第一表・第二表)
第四表 損失申告対象の申告額など 確定申告書(損失申告用) 確定申告書B(第一表・第二表)
第五表 修正申告する際の修正前の情報など 修正申告書 確定申告書B(第一表)
目次

【まずはじめに】確定申告は修正できるの?

まず確認しておきたいのが、一度確定申告したものは後から修正できるのか?という疑問です。

結論からお伝えすると、確定申告を後から修正することは可能です。

冒頭でも紹介したとおり、修正する場合は確定申告書第五表を使用します。

申告書第五表を使用して申告を修正することを、修正申告と言うので、覚えておいてくださいね。

修正申告とは?

修正申告とは税務調査などがきっかけで問題が発覚し、修正が必要になったときに行う申告です。

ただし条件によって、

  1. 更正の請求
  2. 訂正申告
  3. 期限後申告

上記3種類の申告方法があるので、次の項で確認していきましょう。

この場合は修正申告でいいの?【ケース別】対応方法

ただし次のような条件の場合、それぞれ対応が異なるので気をつけましょう。

  1. 税金を払い過ぎていたことに気づいたら「更正の請求」
  2. もし間違いに気づいたのが申告期限内であれば「訂正申告」
  3. そもそも申告を忘れていたなら「期限後申告」
 税務調査に対する不服申し立てについて

税務調査の結果に納得がいかない場合、納税者にはその処分の取消や変更を求める権利があります。

処分の通知を受けた日の翌日から3ヶ月以内に、税務署長へ「再調査の請求」もしくは直接「国税不服審判所長」への審査請求が可能です。

また再調査の採決にも不服なときは、その通知を受けた日の翌日から6ヶ月以内に裁判所へ訴訟を起こせます。

ただし修正申告を一度でも提出すると、修正点があることを認めたということになり、不服の申し立てをする権利が消えるので注意しましょう。

ケース①:申告ミスで払い過ぎたら、更正の請求

更正の請求とは、実際よりも多くの税金を納めてしまった場合、返してもらうための請求です。

  • 売上を多く見積もった
  • 医療費控除するのを忘れた
  • 扶養家族の人数を少なくした
  • 経費にできるものを計上していなかった

主に上記のようなケースで、「申告した税額を多く見積もった」もしくは「還付される税額が少ない」ときに請求ができます。

確定申告の更正の請求期限は、申告期限から5年間

ただし後発的な事情*により、期限後に更正の請求が必要になった場合は、事情が生じてから2ヶ月以内なら請求可能です。

*後発的な事情とは、訴訟で負けて計上金額を返すことになったなど、売上の一部を後で失った場合などが当てはまります。

【更正の請求】必要書類

更正の請求をするには、まず国税庁HPから「更正の請求書」をダウンロードして記入しましょう。

手書きして税務署に提出する方法のほか、電子申告(e-Tax)でも申告可能です。

以下に必要書類をまとめたので、参考にしてみてくださいね。

  • 更正の請求書
  • 確定申告書の控え
  • 領収書など請求の根拠となる書類
  • 本人確認書類(コピー)

審査後、無事更正の請求が通れば提出から1~2ヶ月で還付金が振り込まれます。(電子申告の場合は3週間ほど)

ケース②:申告期限前の場合は、訂正申告

訂正申告は、申告期限よりも前に間違いに気づいた場合に利用できます。

通常、同じ申告書が2回提出されたときは、最後の提出のほうを採用されるので、1回目と同様に申告の手続きを踏んでいけばOKです。

以下に注意点をいくつか記載します。

  • 余白に「訂正申告」と赤字で記入する
  • 1回目の申告で提出した添付書類は、控えのコピーを添付する
  • すでに還付処理が済んでいる場合は、税務署に連絡する

ケース③:そもそも申告を忘れていたら、期限後申告

確定申告の期限は、通常毎年2月中旬~3月15日(土日祝の場合は翌平日)までとされています。

しかし申告期限を過ぎても、確定申告をすること自体(=期限後申告)は可能です。

ただし期限後申告をする場合は、次のようなデメリットが生じます。

  • 青色申告しても最大65万円→10万円の控除になる
  • 純損失の繰戻し還付*が利用不可
  • ペナルティで加算税などが発生する

*純損失の繰戻し還付…前年が黒字、本年が赤字のときに、前年の黒字分を繰り越して還付を受けられる制度。

ペナルティの税の種類は、以下のとおり。

  • 無申告加算税
  • 重加算税
  • 過少申告加算税
  • 不納付加算税
  • 延滞税
  • 利子税

▷無申告加算税

期限内に確定申告書の提出がなかったときに発生するのが、無申告加算税です。

税率は条件により5%~20%です。

  • 期限後に自主的に申告…5%
  • 税務署からの指摘後に申告…15%(税額50万円超のときは20%)

▷重加算税

重加算税は、意図的に申告しなかったと認定された場合に課される税金。

税率は40%と高額なので、意図的に申告しなかったという事態は避けたほうが賢明です。

▷過少申告加算税

期限内に確定申告を提出したあと、修正申告や更正により追加で税が発生したときの附帯税が、過少申告加算税

税率はタイミングによって異なります。(5000円未満は徴収対象外)

  • 税務調査の通知以後~更正の予知前まで5%*
  • 税務調査による更正の予知以後10%*

*「期限内の確定申告額」or「50万円」のいずれか多い金額を超える部分は+5%。

ただし税務調査からの通知より前に、自主的に修正申告をした場合は過少申告加算税はかかりません。

▷不納付加算税

源泉徴収による国税が期限までに納められなかった場合にかかるのが、不納付加算税です。

税率は10%ですが、税務調査前に自主的に納めれば5%になります。(5000円未満は徴収対象外)

▷延滞税

延滞税は、期限までに税金を納めなかった場合に課税される附帯税の1つ。

税率は納付期限の翌日~2ヶ月年7.3%、それ以降は14.6%です。

▷利子税

利子税は、申告期限を延長した際に課税される附帯税です。

申告期限が延長になるケースは、会計監査人による監査を受ける必要がある場合などが挙げられます。

また先述した過少申告加算税や延滞税などの附帯税は、損金算入の対象外ですが、利子税に限り損金算入ができます。

税率は原則年7.3%です。(1000円未満は徴収対象外)

お問い合わせはこちら

確定申告で不正をしたらどうなる?

期限後申告をすると様々なペナルティが発生することは、お分かりいただけたでしょうか?

ここからは、意図的に確定申告で不正をしたらどうなるのか、解説していきます。

帳簿の改竄や虚偽の記載など意図的で悪質な偽造を行った場合、逋脱(ほだつ)と呼ばれる犯罪行為に該当するので、注意しましょう。

この逋脱を行ってしまうと、上記で紹介した重加算税が課されてしまいます。

40%にまでのぼる重加算税を納税できない場合は、住んでいる場所を差し押さえられてしまうかもしれません。

売上の隠蔽行為などさらに悪質な場合は、重加算税のほかに刑事罰に科される可能性もあります。

最高刑で10年以上の懲役もしくは1000万円以下の罰金が科されることもあるので、注意してください。

やむを得ない理由で確定申告ができなかった場合は?

新型コロナウイルス感染症の影響など、やむを得ない理由で確定申告ができなかった場合は、個別延長してもらえるケースがあります。

やむを得ない理由がある場合は、所轄税務署長に「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を申請し、その承認を受けることで、2ヶ月以内の範囲で個別指定による期限延長が可能です。

詳しくは国税庁HPをご覧ください。

お問い合わせはこちら

修正申告の提出書類と記入方法

修正申告をする際の提出書類は、主に次の2種類です。

  • 確定申告書B 第一表
  • 修正申告書(別表)第五表

※確定申告書B 第一表の書き方は、以下の記事で確認できます。

確定申告書B 第一表

確定申告書B

確定申告書B 第一表は、1回目の確定申告のときにも提出しているので、お馴染みの書類なはずです。

ちなみに修正申告の場合は、第二表の提出は必要ありません。

まずは国税庁HPからダウンロードします。

記入手順①:「修正」と記入&マルをつける

記入手順①:「修正」と記入&マルをつける

まず「申告書B」の前の空欄に“修正”と記入します。

そして生年月日の下にある「修正」と書かれているところにマルをつけましょう。

ちなみに申告書Aは、このマルをつける欄がないので、必ず申告書Bを使用するようにしてください。

その他、住所や氏名などは1回目のときと同じです。

記入手順②:金額欄には、修正後の金額を記入する

記入手順②:金額欄には、修正後の金額を記入する

続いて金額欄には、修正後の金額を記入します。

変更がない箇所は元の確定申告書Bの金額と同じなので、参考にしながら転記しましょう。

修正申告書(別表)第五表

修正申告書(別表)第五表

修正申告書(別表)第五表も、国税庁HPからダウンロードできます。

確定申告書Bとの違いは、修正前の金額を記入するという点です。

つまり元の確定申告書B(1回目の申告で出したもの)に記入した金額を、そのまま転記するという形になります。

記入手順①:基本情報を記入する

記入手順①:基本情報を記入する

まず「年分」「住所」「氏名」の基本情報を記入します。

「年分」は元の確定申告書と同じ数字です。(修正申告書提出時の年ではありません)

記入手順②:確定申告書Bから数字を転記する

記入手順②:確定申告書Bから数字を転記する

上記画像の赤枠(No.1~27)は、元の確定申告書B「所得金額」「所得から差し引かれる金額」の(①~㉕)欄から転記します。

記入手順②:確定申告書Bから数字を転記する

上記の赤枠(No.28~47)には、元の確定申告書B「税金の計算」(㉖~㊵)から転記します。

記入の順番が異なるので、それぞれ項目をよく確認してから記入してください。

記入手順②:確定申告書Bから数字を転記する

上記の赤枠(No.48~55)は、元の確定申告書B「税金の計算」(No.41~48)から転記します。

記入手順②:確定申告書Bから数字を転記する

上記赤枠の上段(No.56)は、元の確定申告書「税金の計算」(No.47 納める税金)の額と、修正申告書B 第一表と同じ箇所(No.47 納める税金)との差額を記入します。

下段(No.57)には、100円未満を切り捨てた金額を記入しましょう。

記入手順②:確定申告書Bから数字を転記する

修正申告によって異動した事項には

  • 所得金額に関する事項

…「所得の種類」「種目・所得の生ずる場所」「収入金額」「必要経費」「異動の理由」(修正の理由)を記入。

  • 事業専従者に関する事項

…事業専従者に支払った給与が間違っていたとき「氏名」「異動前の控除額等」「異動後の控除額等」を記入。

  • 所得から差し引かれる金額に関する事項

…配偶者控除、医療費控除など各種所得控除額を修正するときに「所得控除の種類」「所得控除額」「異動の理由」を記入。

  • 税金の計算に関する事項

…税額控除額を修正するときに「税額控除等の種類」「税額控除額等」「異動の理由」を記入。

記入手順②:確定申告書Bから数字を転記する

住民税・事業税に関する事項を記入するときは、確定申告書Bの第二表があると便利です。(提出はしないので、参考資料として用意しておきましょう)
確定申告書B 第二表の下部「住民税・事業税に関する事項」を見ながら、修正が必要なところだけ記入します。

記入するケースとしては、主に次のようなケースです。

  • 「地方税に関する配当金・寄附金がある」
  • 「上場株式等の配当金がある」
  • 「ふるさと納税をしている」

基本的には上記のケース以外で記入することはありません。

まとめ

今回は確定申告を間違えたときの様々な対応方法と、修正申告をする際の提出書類記入方法について紹介してきました。

もし確定申告の間違いに気づいたら、放置は厳禁

  1. 修正申告
  2. 更生の請求
  3. 訂正申告
  4. 期限後申告

上記いずれかの対処を速やかに行うことが重要です。

余計な税負担を強いられることがないよう、適切な修正をしていきましょう。

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