
通勤ラッシュや人混みを回避でき、新型コロナウイルス感染症対策としての効果が期待されているテレワーク。
総務省も企業に向けて、積極的なテレワークの導入を推進しています。
こうした状況を受け、働き方改革推進支援助成金(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)が特例として設けられました。
働き方改革推進支援助成金のテレワークコースに設定されているのは下記の2種類。
- 一般用
- 新型コロナウイルス感染症対策用
本記事では新型コロナウイルス感染症対策用について、3次募集分について解説していきます。
交付申請の受付は終了してしまいましたが、次の募集に備えて概要を確認しておきましょう!
受付期限 | 交付申請 | 支給申請 |
1次募集 | ||
2次募集 | ||
3次募集 | 令和3年3月1日 |
テレワークコース(コロナ対策用)の内容
テレワークコース(コロナ対策用)の内容について、以下の順番で解説していきます。
- 目的
- 対象となる事業主
目的
時間外労働等改善助成金から令和2年度に名称変更された、働き方改革推進支援助成金。
その中に特例コースとして設けられたのが新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコースです。
新型コロナウイルス感染症対策のための取組を行う事業主の支援を目的としています。
今回は、緊急事態宣言発令地域内の事業所が対象です。
対象となる事業主
支給の対象となるには、下記の3点をすべて満たす事業主であることが必要です。
- 新型コロナウイルス感染症対策として、テレワークを新規導入する中小企業事業主
- 労働者災害補償保険の適用事業主であること
- 業種・資本・労働者の範囲条件を満たしていること
①:新型コロナウイルス感染症対策として、テレワークを新規導入する中小企業事業主
新型コロナウイルス感染症対策として、令和3年1月8日~1月29日の間にテレワークを新規導入する中小企業主が対象です。
②:労働者災害補償保険の適用中小企業事業主であること
労働者災害補償保険(労災保険)とは、労働者が業務上・通勤上の災害により負傷したり、死亡した場合に、労働者やその遺族のために必要な保険給付を行う制度です。
労働者を1人でも使用する事業*は、適用事業として労災保険法の適用を受けることになり、保険料を納付しなければなりません。
労災保険料を適切に納めている適用事業主が、本助成金の対象となります。
*…個人経営の農業・水産業で労働者数5人未満の場合等は除く。
③:業種・資本・労働者の範囲条件を満たしていること
次の表のいずれかに該当する事業主であることが必要です。
業種 | 資本・出資額 | 常時雇用する労働者 |
小売業(飲食店を含む) | 5000万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5000万円以下 | 100人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
(引用:厚生労働省作成リーフレット「働き方改革推進支援助成金のご案内(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)(3次募集分)」)
支給の要件
助成対象となる事業の実施期間は、令和3年1月8日~1月29日までです。
令和3年1月8日〜交付決定以前に行った取り組みも助成対象となるので積極的に申請しましょう。
実施期間中に下記2点を満たすことが支給の要件です。
- 助成対象の取り組みを行うこと
- テレワークを実施した労働者が1人以上いること
①:助成対象の取り組みを行うこと
以下の助成対象となる取り組みから1つ以上を選び、実施しましょう。
- テレワーク用通信機器の導入・運用
- 就業規則・労使協定等の作成・変更
①について、リース契約・ライセンス契約など一定期間に応じて金額が定まる契約費用については、下記の取り扱いとなります。
- 契約期間の開始日が事業実施期間内であるものは3ヶ月を限度として助成対象となる
- 事業実施期間以外の期間にかかる費用も含められる
- 年額などの場合は月割となる
いずれも令和3年1月8日〜支給申請日までの期間で実際に支出していることが必要です。
②:テレワークを実施した労働者が1人以上いること
事業の実施期間中にテレワークを行った労働者が1人以上いるようにしましょう。
受け入れている派遣労働者*がテレワークを行う場合も対象になりますが、少なくとも1人は直接雇用する労働者であることが必要です。
*…派遣元事業主が、その派遣労働者を対象として同時期に同一措置につき助成金を受給していない場合に限る。
助成額
本助成金は、支給対象となる取組の実施にかかった費用のうち、対象経費に該当する金額に対して助成されます。
下記をそれぞれ確認していきましょう。
- 対象経費
- 助成額の計算方法
対象経費
本助成金の対象になる経費は、下記に該当するものです。
対象経費 | 例 |
謝金 | テレワークの導入に関する専門家への相談費用費用など |
借損料 | 会議会場使用料や事務機器のリース料など |
雑役務費 | 事務作業にかかった費用など |
備品費 | 少額(10万円以上20万円未満)であり、耐用年数が1年以上の物品の購入に係る費用 |
機械装置等購入費 | テレワーク用通信機器の購入費など |
委託費 | テレワーク用通信機器の設置・設定費など |
助成額の計算方法
助成額は、対象経費の合計額×1/2で求めることができます。
ただし、1企業あたりの上限額は100万円なので注意しましょう。
申請手続きの流れ
本助成金を申請する際に、会社側が行う手続きの流れは次の3ステップです。
- 交付申請
- 事業実施
- 支給申請
交付申請
テレワーク相談センターに、事業計画書を添付した交付申請書を提出します(受付期限令和3年1月29日)。
交付申請時の必要書類は、こちら*からダウンロードが可能です。
*…クリックするとダウンロードが始まります。
交付申請後、厚生労働省から交付・不交付の決定通知が届きます。
事業実施
取り組みの実施時期と交付決定は、タイミングにより前後します。
令和3年1月8日〜交付申請日までに実施した事業については、事業実施計画に正しく記載しましょう。
交付申請以後の実施分については、事業実施計画に沿って下記の取り組みを実施してください。
- テレワーク用通信機器の導入・運用
- 就業規則・労使協定の作成・変更
支給申請
支給申請書をテレワーク相談センターに提出します(受付期限令和3年3月1日)。
支給申請時の必要書類は、交付申請と同様にこちら*からダウンロードが可能です。
*…クリックするとダウンロードが始まります。
その後、厚生労働省より支給・不支給の決定通知が届き、支給決定の場合は助成金を受け取ることができます。
3次募集 Q&A
多くのお問い合わせが想定される質問のうち、5つを抜粋してご紹介します。
申請前に確認しておきましょう。
- 申請できるテレワーク用通信機器かどうかの判断基準は?
- パソコン・タブレット・スマホは助成の対象外?
- シンクライアント端末は助成対象?
- 2次募集に申請したけれど、3次募集にも申請出来る?
- 他の助成金を受け取っている場合でも利用できる?
(参照:厚生労働省HP「働き方改革推進支援助成金 (新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)3次募集分に関するQ&A」)
Q1. 申請できるテレワーク用通信機器かどうかの判断基準は?
Q2. パソコン・タブレット・スマホは助成の対象外?
Q3. シンクライアント端末は助成対象?
Q4. 2次募集に申請したけれど、3次募集にも申請できる?
Q5. 他の助成金を受け取っている場合でも利用できる?
テレワークを導入し、安定した業務環境を整えましょう!
働き方改革推進支援助成金(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)について、下記の順に解説してきました。
- テレワークコース(コロナ対策用)の内容
- 支給の要件
- 助成額
- 申請手続きの流れ
- 3次募集 Q&A
感染状況にかかわらず、通常通り業務できる職場環境が必要とされています。
3次募集の交付申請の受付期間は終わってしまいましたが、新たな募集に今から備えてみませんか?
テレワーク導入への仕組みづくりを、弊所がお手伝いします。
新型コロナウイルスに負けない会社づくりを目指していきましょう!
※新しい情報が入り次第、更新していきます!