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【総まとめ】融資が成功する創業計画書の書き方と必須ポイント

融資の申し込みをするときに必須なのが、創業計画書

しかしただ闇雲に作成しても、融資の審査に落ちたら骨折り損です。

そこで本記事では、融資に成功する創業計画書の書き方抑えておきたいポイントを解説!

事前にしっかりと創業計画書を作成して、融資を成功に繋げていきましょう。

目次

そもそも創業計画書とは?

創業計画書とは、創業の動機事業内容資金繰りなど基本的なことをまとめた書類です。

とくに融資の審査時に重点的に見られるので、創業計画書が融資の可否を決めると言っても過言ではありません。

日本政策金融公庫のHPにサンプルがあるので、こちらを参考にしてみてください。

ただしあくまでも記入例なので、このとおりに書けば融資してもらえるとは限りません。

借りたお金を返せるという根拠や事業の見通しをクリアにして、しっかりと作成しましょう。

創業計画書に記入する9つの項目

創業計画書に書く項目を1つずつ解説していきます。

それぞれ漏れのないように、以下の9ヶ所を記入しましょう。

  1. 創業の動機
  2. 経営者の略歴等
  3. 取扱商品・サービス
  4. 取引先・取引関係等
  5. 従業員
  6. 借入の状況
  7. 必要な資金と調達方法
  8. 事業の見通し(月平均)
  9. 自由記述欄

①:創業の動機

まず最初に書くのは、そもそもなぜ創業しようと思ったか?という動機です。

日本政策金融公庫のHPにある美容業を創業するケースの例を見てみると…

美容業に従事して12年、現勤務先での固定客もついてきたため、同じ美容師の妻とともに、店を持つことにした。

○○駅の近くの住宅地に良い物件を見つけたため。

とあります。

しかし、正直これだけでは足りません。

創業する事業に対する熱意が伝わる動機に加え、具体的な数字を明記してはっきりとした根拠を提示する必要があります。

テンプレートには4行分しか書くスペースがないので、別途の用紙に細かく書いたほうがいいでしょう。

創業の動機を記入する際は、主に以下の項目を中心に書きます。

  1. 創業しようと思ったきっかけ(なぜ今のタイミングなのか)
  2. 今までの勤務経験を事業に活かせるか
  3. 創業することで実現・達成させたいこと
  4. 消費者にはどんなメリットがあるのか
  5. 創業するとどのような形で社会貢献に繋がるか
  6. 見込み客と商品の提供先について
  7. 競合他社との差別化について
  8. 自己資金額や設備投資額の詳細と、用意するまでのプロセス

②:経営者の略歴等

ここには、

  1. 経営者の略歴(年月・内容)
  2. 過去の事業経験
  3. 取得資格
  4. 知的財産権等

の4項目を記入していきます。

①:経営者の略歴(年月・内容)

略歴は、職務経歴書を作成するときとほとんど同じ要領でOKです。

  • 最終学歴(もしくは事業に関連する学校での経験)
  • 勤務先の名称
  • 配属された部署・部門
  • 勤務年数
  • 直近の勤務先の月給
  • (もしあれば)退職金の額

を記入していきましょう。

②:過去の事業経験

ここでは創業者が、これまでに事業を経営したことがあるのかをチェックします。

  • 事業を経営したことはない。
  • 事業を経営していたことがあり、現在もその事業を続けている。
  • 事業を経営していたことがあるが、既にその事業をやめている。

の中から1つ選んでチェックしましょう。

③:取得資格

創業する事業に活かせる資格があったら、記入します。

もし事業とは関係ない資格でも、持っていれば書いておいたほうがいいでしょう。

資格を書く場合は「有」の隣にチェックを入れて、取得した資格の

  • 正式名称
  • 取得した年・月

を記入してください。

④:知的財産権等

知的財産権は、

  • 産業財産権
  • 著作権等

に大きく分けられます。

産業財産権は、製品の発明やアイデアを保護するための特許などのことで、著作権は文学や音楽作品などを保護するために与えられるものです。

もし知的財産権等に当てはまるものがあれば、「有」の隣にチェックを入れて、

  • 申請中
  • 登録済

のどちらかにチェックを入れましょう。

③:取扱商品・サービス

創業する事業で提供する商品・サービスの具体的な内容を記入します。

提唱するものが多岐にわたる場合は、売上のトップ3を占める

  • 商品・サービス名
  • 価格
  • 売上のシェア率

をそれぞれ記入していきましょう。

もちろん書くだけなら誰でもできるので、売上シェア率の根拠客単価1ヶ月の販売数の予測などを記入して、融資の審査担当者が納得できるように記入してください。

④:取引先・取引関係等

  1. 販売先
  2. 仕入先
  3. 外注先
  4. 人件費の支払

の4ヶ所を記入する箇所です。

販売先

商品・サービスの販売先が決まっている場合は、

  • 会社名
  • シェア率(%)
  • 掛取引の割合(%)
  • 回収・支払の条件

を記入します。

すでに契約書や注文書があるなら、それらも添付資料として提出しましょう。

また日本政策金融公庫のHPにある美容業を創業するケース例のように、

近くにショッピングセンターあり、人通りが多いため、新規客を獲得しやすい。

など、店舗を構えるなら、その立地を選んだ理由についても触れておくと、説得力がアップします。

【掛取引とは?】

代金を商品やサービスを提供するときではなく、あらかじめ支払期限を決めて後払いにする取引のこと。

別名を信用取引とも言います。

商品・サービスを提供するときは売掛金、買うときは買掛金です。

もしまだ販売先が明確になっていない場合は、顧客となり得るターゲットの

  • 業種・職種
  • 年代・性別

をはじめ、

  • 顧客が利用するエリアやその場所の交通量
  • (もしあれば)販売条件

などの詳細を明確に書くようにしてください。

仕入先

小売業など、どこかから仕入れてきて商品を販売する場合は、仕入先を記入します。

販売先と同じく、「会社名、シェア率、掛取引の割合、回収・支払の条件」を埋めていきましょう。

外注先

事業を行う中で、外注の力を借りる必要があるときは、同じく外注先の「会社名、シェア率、掛取引の割合、回収・支払の条件」を記入します。

人件費の支払

この項で最後に記入するのは、人件費の支払です。

1人だけでやっていく場合は必要ないですが、会社として店舗を構えて創業する場合、人の手は欠かせません。

人件費の欄に記入することは、以下3つ。

  • 毎月の給与の〆日
  • 毎月の給与支払日
  • (もしあれば)ボーナスの支給月

まだ考えていなかった場合は、このタイミングで決めてしまいましょう。

⑤:従業員

雇う従業員について具体的に決まっていれば、

  • 常勤役員の人数
  • 従業員数(家族もいる場合は、うち何人か)
  • パート・アルバイト

を記入します。

⑥:借入の状況

事業に関わるもの以外で、ローンなど借入をしているものがあれば、ここで全て記入してください。

  • 借入先名

借入した金融機関、支店名を記入。

  • 使い道

住宅、車、教育、カード、その他のいずれかにチェック。

  • 借入残高

借入残高額は、創業計画書を記入している時点の額でOK。

  • 年間返済額

1年間のトータルの返済額を記入。

⑦:必要な資金と調達方法

必要な資金と調達方法は、非常に重要な箇所なので、1つ1つじっくりと埋めていってください。

まず必要なのは、以下の2つの資金です。

  • 設備資金(事業をするうえで必要な設備をそろえるための費用)
  • 運転資金(事業を続けていくために毎月かかる費用)

それぞれの内訳を記入したら、その資金の調達方法を記入しましょう。

最終的には必要な資金の額=調達する資金の額になります。

設備資金と運転資金について

設備資金としてかかる代表的なものは…

  • 店舗の工事代(内装、外装、電気、ガス、空調設備など)
  • PCなどの電子機器
  • テーブル・椅子
  • 店舗を賃貸する場合の保証金(見積書も添付する)

などが挙げられます。

一方、運転資金でよく挙げられるものは…

  • 人件費(給与、交通費、社会保険料など)
  • 商品の仕入額
  • 外注費
  • 賃貸の場合は店舗の家賃
  • 事業で必要な消耗品(封筒、ティッシュペーパーなど)
  • 宣伝費

などです。

もちろん事業によって他にも必要な資金はあるので、ざっとどの程度の額が必要になるか把握しておきましょう。

資金の調達方法

調達の方法で記入することは、資金の調達先金額のみです。

ただし金融機関などから借入をしている場合は、

  • 毎月の返済額
  • 返済回数
  • 年利

も忘れずに記入しましょう。

また家族、親戚、友人などから借入をしている場合は、内訳返済方法も記入する必要があります。

⑧:事業の見通し(月平均)

創業計画書の作成も終盤に差し掛かってきました。

ここでは事業の見通し額を、

  • 創業当初
  • 軌道に乗った後

に分けて記入していきます。

それぞれ書く項目は…

  1. 売上高
  2. 売上原価(仕入高)
  3. 経費(人件費、家賃、支払利息、その他)
  4. 利益

です。それぞれの額を算出して根拠も書いてください。

ここで算出した利益が、融資が通った場合、資金の返済元になります。

しかし創業当初の場合は、まだ確実な額の根拠が出せないことがほとんどです。

その場合は、事業経験や事業に関連する企業での勤務経験の長さをアピールすると、融資の審査担当者の印象がアップします。

曖昧な数字を適当につけるのではなく、予測だとしてもその数字を裏付けるような経験があれば大丈夫です。

⑨:自由記述欄

自由記述とありますが、空欄で提出すると審査担当者にやる気がないと思われてしまうかもしれません。

そのため、

  • 追加でアピールしたいこと
  • 悩み
  • 欲しいアドバイス

など、他の欄で書けなかったことは、書いておきましょう。

一般的によく書くことは、達成したい目標改善したい課題などです。

マイナスなことを書いでも大丈夫ですが、最後は必ず解決策や改善案で終わらせるようにしてください。

あくまでも、創業に対する熱意が伝わるような文章を心がけていきましょう。

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100%とは言い切れませんが、以下のポイントを抑えれば、融資が成功する確率がグンとアップすること間違いなしです。

公式HPの記入例だけを参考にしない

日本政策金融公庫HPの創業計画書サンプルだけを参考にすると危険です。

サンプルは、あくまでも全体の雰囲気をつかむ程度に使用しましょう。

中身の文章はイチから自分で書くつもりで作成したほうが、熱意が伝わりやすくなります。

「自力でやるのは無理!」「そんな時間はない…」という方は、一度スタートアップ税理士法人まで連絡してみてくださいね。

あなたの事業に合わせて、的確なアドバイスがもらえるはずです。

空欄をなくして全ての項目を手書きで記入する

いくら創業の動機を精魂込めて書いたとしても、自由記述欄が空欄のままだと…

「最初だけ頑張って、あとは手抜きでは?」と審査担当者に思われてしまうかもしれません。

面談時に言葉でカバーしようと思っても、面と向かって話すと緊張してしまうもの。

「言いたいことがあまり言えなかった…」という事態を避けるためにも、文章でも想いを伝えられるようにしておきましょう。

ちなみに創業計画書は、PCではなく手書きで記入することをオススメします。

なぜなら手書きのほうが、創業者の熱意が伝わりやすいからです。

とはいえ、字に全く自信がない方は、無理して手書きで書かずにPCで打ち込んでください。

資金繰り表を添付する

必須ではありませんが、資金繰り表があると、審査が有利に運ぶことがあります。

資金繰り表とは、ある一定期間の現金の収入と支出を表にしたものです。

事前に作成することで、急にお金が足りなくなったり、黒字倒産(=売上的には黒字でも、現金がないために倒産すること)するリスクを避けられます。

融資の審査担当者からすれば、

  • 前向きな資金の使い道
  • 融資したお金を返済してもらえる可能性

の2つがそろえば、融資しても問題ないという判断になることがほとんどです。

綿密な資金繰り表をそろえれば、その2つを網羅できるので、必ず作成するようにしましょう。

提供する商品・サービスををわかりやすく説明する

事業の要である提供する商品・サービスの概要は、誰が見てもわかりやすくかみ砕いて説明してください。

たとえばIT系の企業の場合、専門的な用語を使って説明しても、融資の審査担当者に理解してもらえないと意味がありません。

この会社は何を提供するのか?と、読み手が具体的なイメージができるとベストです。

もし文字だけではイメージしにくい場合は、実際の写真やパンフレットを持参して説明したほうがいいでしょう。

市場調査や競合他社の分析をする

自身が創業する事業の市場規模や、競合他社の分析をすることも欠かせません。

現代においてまだ市場にない未開拓の事業をするというのは、ほぼ不可能に近いでしょう。

あなたの事業にも、似たような商品・サービスを提供しているライバル企業がいるはずです。

  • ライバル企業とどうやって差別化をはかるか?
  • 独自のセールスポイントは何か?

を練ったうえで、あなたの事業の商品・サービスの魅力を発信していきましょう。

ちなみに「世界初!」「日本初!」という言葉を多用すると、強力な差別化になる反面、前例がないリスキーな戦略だと思われてしまうので、あまりオススメはしません。

集客方法とターゲット層を明確にする

事業を開始した後は、よく「集客がうまくいかない!」という問題が発生しがちです。

どんなに魅力的な商品を作っても、買う人がいなければ話になりませんよね。

そのためにも、事前に集客方法と顧客になり得るターゲット層を明確にすることは大切です。

集客方法について

扱う商品・サービスによって効果的な集客方法は異なりますが、

  • テレビ・ラジオCM広告
  • SNSで情報発信
  • オウンドメディアの作成
  • 宣伝カー
  • ビラ配り
  • 無料イベントの開催

など様々です。

あなたの扱うものに合わせた集客方法を選び、なぜその集客方法を選んだのか、根拠も説明できるようにしておきましょう。

ターゲット層について

あなたの事業で提供する商品・サービスを利用する人は、どんなお客さんなのか、できるだけ具体的に予測することも必要です。

たとえば若者に大人気のカリスマ美容師がいる美容室を、年配の方が多い巣鴨にオープンしても、大きな収益は見込めません。

  • 年代・性別
  • 店舗のエリア
  • 営業時間帯

など、どのような悩みを抱える人のニーズに応えればいいのか考えるだけでも、おのずとターゲット層は明確になってくるはずです。

創業計画書の記入ポイントをおさえて融資まで猪突猛進!

ここまで創業計画書に書く項目と記入ポイントを記入しましたが、いかがだったでしょうか。

融資するときに必要な創業計画書の記入するのは、9ヶ所でしたね。

もう一度記入ポイントをおさらいすると…

  1. 公式HPの記入例だけを参考にしない
  2. 空欄をなくして全ての項目を手書きで記入する
  3. 資金繰り表を添付する
  4. 提供する商品・サービスををわかりやすく説明する
  5. 市場調査や競合他社の分析をする
  6. 集客方法とターゲット層を明確にする

という点でした。

一発で融資を成功させるためにも、万全な創業計画書を作成していきましょう。

もしアドバイスなどが必要になったら、コチラまでいつでもご連絡ください。

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